今月の業務内容

各テーマの略称は7月の振り返りに記載したものを引き続き使用する。

以下、各テーマの進捗を報告する。

テーマA:確率的な数理モデルと数値計算に関する研究(海外研究者との共同研究)

今月は本テーマに関して、以下の2件の学会発表を行った。

  • 9月1日〜4日:ICMS(International Centre for Mathematical Sciences、エディンバラ)主催のワークショップ「Numerical methods for Hamilton-Jacobi and mean-field PDEs」
  • 9月14日〜17日:University of Bathで開催された「International Conference on Scientific Computing and Machine Learning 2026(SCML2026)」

いずれの発表も滞りなく終えることができた。特に後者のSCML2026では発表が好評で、複数の研究者と新たにつながりを得ることができた。

中でも、テーマEで用いている最適化手法について、その数学的解析を深く進めている英国の大学の研究者に挨拶することができた。同氏も英国を拠点としているため、今後も連絡を取り合い、少なくとも論文を公開した際には改めて連絡する予定である。

また、同会議は日英の研究交流プログラムの支援を受けて開催されたこともあり、日本からの参加者も多く見られた。以前に参加した国際会議SciCADE(International Conference on Scientific Computation and Differential Equations)で面識を得た海外大学の研究者および国内企業の研究者とも再会し、後者とは今後何らかの形で共同研究ができればという話になった。

テーマB:多数の主体からなる系のデータ解析・推定に関する研究(学生との共同研究)

引き続き原稿を整えつつ、共同研究を担当する修士学生の修士論文発表を見守っている段階であり、今月は大きな進捗はない。発表が終了し次第、論文の投稿先を含めた今後の方針を検討する予定である。

テーマC:集団系の最適化・数値計算に関する研究(学生との共同研究)

今月は大きな進捗はない。現在は、アドバイザーとして助言を行っている博士学生が主体となって原稿の執筆を進めている。

テーマD:機械学習モデルの数理解析に関する研究(国内研究者らとの共同研究)

今月は喜ばしい知らせがあった。先月まで査読対応を行っていた投稿論文が、NeurIPS 2026のMain Trackにポスター発表として採択された。

テーマE:最適化手法を用いた制御計算に関する研究(学生との共同研究)

英国の大学に着任した共同研究者から得た助言をもとに原稿を更新し、投稿予定の国際会議の書式に合わせて原稿を整えた。投稿先としては、学習と制御に関する国際会議(投稿締切は11月中旬)を予定しており、締切に向けて準備を進めていく。

テーマF:制御系の安全性向上に関する研究(国内研究者との共同研究)

本テーマにおいて、私はアイディア出しと数値計算の支援を担当しており、論文の主たる執筆は共同研究者である国内研究機関の研究者に担当いただいている。今月も打ち合わせを実施し、内容を詰める作業を行った。当初は国際会議への投稿を想定していたが、応用分野の学術誌への投稿に方針を切り替え、11月頃の投稿を予定している。

テーマG:集団系のデータからモデルを推定する研究(海外研究者との共同研究)

共同研究者である海外大学の研究者とミーティングを行い、より現実的な数値実験の設定について助言を得た。これを受けて数値実験を実施し、結果を原稿に反映した。今後、改めて打ち合わせを行う予定である。

なお、本テーマはテーマBの成果を前提とした内容であるため、まずテーマBの成果を公開する必要がある。本テーマの本格的な進展はその後となる見込みである。

テーマH:大規模な数理モデルの制御可能性を評価する研究(国内研究者との共同研究)

今月中旬、共同研究者である国内の研究者が出張の途中で立ち寄ってくださり、対面で論文執筆の詰めの作業を行った。主要な数値計算および理論の内容はほぼ完了しており、同氏に仕上げとなる理論解析を追加いただいた後、10月中頃に国際学術誌へ投稿する予定である。

また、同じ機会に別のアイディアについても議論することができ、もう1本論文を執筆できる可能性が出てきた。この内容は受入先の指導教員にも関心を持っていただけそうなものであるため、やや気が早いものの、同氏、受入先の指導教員、私の3名で共著論文を執筆できないか相談を始めている。

周辺のニュース

9月から現地の学校の新学期が始まった。子どももすっかり英国での生活に慣れてきたことから、今学期は週3日、放課後のクラブ活動にも参加してもらうことにした。

また、今月で渡英から1年が経過した。昨年9月中旬に現地入りした当初は、日はまだ長かったものの既に肌寒く、その後ほどなくして日暮れが早くなっていく季節の移り変わりを非常に新鮮に感じたことを覚えている。気づけば滞在も2年目に入った。2年目は1年目の経験を活かしつつ、これまで広げてきた研究テーマを徐々に収束させ、帰国までにすべてのテーマを完成させることを目標としたい。