今月の業務内容
研究テーマの増加に伴い、今月以降、各テーマを以下の略称で記載する。
テーマA:確率的な数理モデルと数値計算に関する研究(海外研究者との共同研究)
テーマB:多数の主体からなる系のデータ解析・推定に関する研究(学生との共同研究)
テーマC:集団系の最適化・数値計算に関する研究(学生との共同研究)
テーマD:機械学習モデルの数理解析に関する研究(国内研究者らとの共同研究)
以下、各テーマの進捗を報告する。
テーマA
主たる研究テーマであるテーマAについて、論文を関連分野の国際学術誌へ投稿した。
また、欧州で開催された国際会議に参加し、同研究の成果を発表した。純粋数学寄りの国際会議への参加は今回が初めてであったが、実際に参加したセッションでは、比較的応用に近い研究も多く発表されていた。
自身の発表では、事前に想定していた論点を中心に複数の質問を受け、おおむね想定どおり回答することができた。また、他の講演には、今後の研究テーマにつながる可能性のある内容も複数含まれており、有意義な情報収集の機会となった。
セッション終了後には、オーガナイザーの主催による夕食会に参加し、同分野の研究者との交流を深めた。同じセッションに参加していた海外大学所属の日本人研究者とも初めて面識を得て、研究内容について意見交換する機会を得た。
今後は、秋に英国で開催される研究集会において、同研究の成果を発表する予定である。
テーマB
テーマBについては、共同研究を担当する学生と初めて対面で打ち合わせを行い、本格的な指導を開始した。
指導にあたっては、生成AIを活用する一方で、その出力内容を本人が十分に理解し、自分の言葉で説明できる状態にすることが課題となっている。生成AIは研究の効率化に有用であり、私自身も積極的に利用しているが、内容を検証せずに使用すると研究への理解が浅くなる懸念がある。この点は受入先の指導教員とも共有し、生成AIの使用自体を制限するのではなく、出力を自ら確認・理解した上で活用するよう指導している。
一方、私が担当している理論面の研究は順調に進展している。先月から取り組んでいた誤差解析がおおむね完成し、推定結果と真値との差を、データ量やモデル規模、数値計算上の誤差等の関連変数によって評価する理論的な結果を得ることができた。
今後は、この理論結果を原稿として整理するとともに、学生が秋の発表会までに実施する予定の数値実験を組み込み、共同論文として投稿することを目標に研究を進める。
テーマC
学生のアドバイザー業務として進めているテーマCについては、本人が別プロジェクトに注力しているため、今月は大きな進捗がなかった。
夏季休暇の後半以降、本人を中心として研究活動を再開する予定である。
テーマD
国内研究者らと進めているテーマDについて、投稿論文の査読結果が返却された。
査読内容は全体として比較的良好であり、指摘事項は理論面が約7割、数値計算面が約3割であった。現在は追加の数値計算を実施するとともに、共著者と分担して査読コメントへの回答および原稿の修正を進めている。
回答期限に向けて、引き続き集中的に対応する。
今夏に開始する新規テーマ
これまではテーマAを主たる研究テーマとして集中的に進めてきたが、論文投稿を終えて一定の区切りがついたため、先月から新たな研究テーマの検討を開始している。
現在、以下のテーマを共同研究者とともに進めている。現時点では、すべてのテーマが論文成果につながるかは未定であるが、まずは初期検討および数値実験を進め、研究としての可能性を見極める予定である。各テーマの詳細については、来月以降の報告書で順次説明する。
テーマE:最適化手法を用いた制御計算に関する研究(学生との共同研究)
テーマF:制御系の安全性向上に関する研究(国内研究者との共同研究)
テーマG:集団系のデータからモデルを推定する研究(海外研究者との共同研究)
テーマH:大規模な数理モデルの制御可能性を評価する研究(国内研究者との共同研究)
周辺のニュース
英国の学校年度が終了し、子どもが夏季休暇に入った。
学期最終週には保護者も参加できる終業行事が開催され、児童と保護者が一緒に歌を合唱するなど、日本の厳かな終業式とは大きく異なる文化を体験した。
夏季休暇中は子どもが基本的に自宅で過ごすことになる。育児の負担が家族の一人に偏らないよう、受入先の指導教員の了承を得た上で、必要に応じて在宅勤務を組み合わせながら業務を進める予定である。
大学では、学生・教員ともに長期休暇を取得する人が多く、英国におけるサマーバケーションの文化を実感している。我々家族も数日間の年次休暇を取得し、近隣地域への旅行を予定している。
業務時間と家族との時間を適切に調整しながら、夏季期間を有意義に過ごしたい。
出張トラブル
海外出張中、現地で見知らぬ人物から声をかけられ、電話料金等の名目で金銭の立替えを求められる事案が発生した。
後日確認したところ、現地の日本国大使館が注意喚起している、日本人旅行者を対象とした金銭要求トラブルと類似する事案であった。少額ではあるものの金銭的被害が発生したため、大使館へ経緯を報告するとともに、現地警察にも参考情報として共有した。
今後、海外赴任または出張中に、見知らぬ人物から通話、通訳、送金、金銭の立替え等を依頼された場合には、たとえ少額であっても、その場では対応しないことが望ましい。必要がある場合は、ホテル、大使館、警察等の公的または信頼できる窓口を通じて状況を確認する必要がある。
また、渡航前および滞在中に、現地の日本大使館が発信している安全情報や注意喚起を確認しておくことが有効である。